知っておきたい”不動産購入時の手数料”

知っておきたい”不動産購入時の手数料”
不動産
住宅購入を複数回したことがある人は少ないと思います。そうです、家を買うことは一生に一回あるかないかの一大イベントですね。不動産独特の言葉やルールがあるので、専門的な知識を持っている方は少ないと思います。

いざ、住宅購入を決めた際、見積書をみてびっくりぽん!した方、これからする方、それぞれいらっしゃると思います。不動産購入には”仲介手数料”、”ローン事務手数料”というものがあります。

今まで聞いたことがない方は、物件購入以外にもこんなに金額がかかるのと思われるかもしれません。

しかし、それらの請求金額は「ぼったくり」ではありませんよ。それぞれ法律や実務においての正当は報酬になるわけです。不動産屋はボランティアではありませんので・・・。

話は戻って、不動産購入の中で一番高い割合を占める”仲介手数料”は、物件の価格と比例して計上されます。

今回は物件の価格以外にどれくらい予算を組んでおくべきなのか、手数料という観点で書いていこうと思います。予想以上に予算超過してしまわないために最低限は知っておく必要がありますよ。
 

それぞれの手数料について

知っておきたい”不動産購入時の手数料”
各契約書の印紙代 売買契、請負契、金銭消費貸借に掛かる印紙税
登記費用(所有権移転・抵当権設定等) 不動産登記(所有権の保存または移転など)、抵当権設定登記の際に必要な登録免許税や、司法書士に依頼する場合の報酬。
固定資産税・都市計画税清算金 物件の引渡日を基準に固定資産税・都市計画税を日割り計算した費用
管理費・修繕費 清算金 物件の引渡日を基準に管理費・修繕費を日割り計算した費用
火災保険料 火災保険の加入・契約金
仲介手数料 ※法律で定められた所定の費用
住宅ローン事務手数料 銀行に支払う住宅ローン事務手数料

上記に示した以外に細かい諸費用が必要な場合がありますが、大切な項目だけは把握しておきたいですね。

では、内容を見ていきましょう。

各契約書の印紙代

知っておきたい”不動産購入時の手数料”

印紙代というのは印紙税の金額を指すのが一般的です。印紙税を簡単に説明すると、「契約書に記載されている代金に掛かる税金」ですので、それぞれの契約書に記載されている代金それぞれに対して費用が発生します。ビジネスでは聞きなれた言葉かもしれません。

不動産取引で用いられる契約書は主に以下の3つ。

① 不動産売買契約書:マンションや戸建ての売買契約の証明書
② 工事請負契約書:リノベーションをする際などの工事作業の請負証明書
③ 金銭消費貸借契約書:住宅ローンなどの金銭の貸し借りの証明書

登記費用(所有権移転・抵当権設定等)

そもそも登記という言葉自体聞きなれませんが、登記とは土地や建物の権利関係を証明するものです。「このマンションは私のものだ」という場合、登記がしてあれば、その事実を証明することができます。その登記の際にかかる税金が登録免許税です。

登記の種類は新築や中古、土地などによって様々ですが、「所有権移転」住宅ローンなどを使用する場合は、「抵当権設定」などの登記を行う必要があり、司法書士に代行してもらうのが一般的です。

なお、住宅の登録免許税には、一定の条件を満たすことができれば、以下のような税率の軽減措置があります。
 
   本則  軽減後
新築建物の所有権の保存登記  0.40%  0.15%
中古建物の所有権の移転登記  2%  0.30%
住宅ローンの抵当権の設定登記  0.40%  0.10%

そして上記の軽減措置(土地所有権移転を除く)を受けるには、以下の要件を満たす必要があります。
 
  • 住宅の床面積(登記簿面積)が50㎡以上
  • 自宅として住む住宅であること
  • 取得後1年以内の登記
  • 中古住宅の場合は以下のいずれかを満たすもの
    ①:マンションなど耐火建築物は築25年以内、木造などは築20年以内
    ②:一定の耐震基準を満たすことが建築士などにより証明されたもの

なお、軽減を受けるための手続きは特に必要ありません。登記の際に住宅が要件を満たしていれば、軽減された税率で税額が計算される。
一般的に重要なのは購入する物件の広さ(住宅の床面積(登記簿面積)が50㎡以上)であるため、要件を満たすかどうか、一度確認してみてはいかがでしょうか?

その他の費用

固定資産税・都市計画税清算金

住宅を購入したときなど不動産取引では、固定資産税や都市計画税の年額を引き渡し日を境として日割りで精算し、売主と買主の負担割合を定めます。

通常は1月1日時点の所有者が納税義務者となるのですが、日割り計算することで、双方にとってわかりやすくなります。
 

管理費・修繕費 清算金

こちらも固定資産税・都市計画税清算金と同様に、月々掛かる管理費・修繕費を、引き渡し日を境として日割りで精算し売主と買主の負担割合を定めて出される費用です。
 

火災保険料

火災保険は「建物構造」や「所在地」「面積」などの条件によって火災保険料が決まる仕組みになっているため、具体的な保険料一覧は掲載されていません。

ただよくあるマンション1室の一般的な火災保険料10年長期一括払いで、およそ30,000円~50,000円ですが、一戸建てだとこの2~3倍の価格に跳ね上がります。そこまで気にしなくてもいいですが、気になるようでしたら不動産屋に事前に紹介してもらうなどして、金額を把握してもいいと思います。
 

住宅ローン事務手数料

銀行で住宅ローンを利用する場合、銀行に住宅ローン事務手数料という手数料を支払う必要があります。その支払先は銀行です。

ローン事務代行手数料とよく似ていますが、銀行へ支払うこの「住宅ローン事務手数料」という費用は必ず支払わないといけないので、節約することはできません。住宅ローンの必要経費として理解する必要があります。

仲介手数料

さて本題ですが、マンション購入の際に他の手数料の金額とは1桁ほど違ってくるのが、この”仲介手数料”です。

この手数料は、不動産売買や賃貸の際に、不動産仲介業者に対して払うお金です。

仲介手数料のポイントは2つあります。
1つ目は、この手数料は成功報酬として支払うものです。取引が成立しなければ支払いは発生しないということです。
2つ目は、仲介手数料は、下記のように法律で上限が定められているということです。
 
 不動産の売買価格  仲介手数料の上限
 200万円以下  5(5.4)%
 200万円超400万円以下  4(4.32)%
 400万円超  3(3.24)%

よく本やネットで計算式が 3%+6万円 という記述がありますが、数学でいう公式みたいなものです。ちなみに消費税は8%で計算してあります。

不動産業者の主な収入源はこの仲介手数料です。1つの不動産契約を成立させるためには、大変な労力がかかります。専門的な税制や法律の知識、銀行の手配や契約書類の作成など、不動産の仲介とは「売主」「買主」それぞれに代わって業務を行うことです。その報酬が仲介手数料ということです。

いかがでしょうか、住まいの購入、聞きなれない言葉が多いと思います。そのために不動産の専門家、不動産業者があるのです。まずは自分に合った不動産屋を探すことが大切ですね。

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